ハッピーバースデー



東武の本屋で、「ハッピーバースデー」という本を買った。
ストーリーはなんか出来の悪い妹が劣悪な家庭環境で「あんたなんか生まれてこなきゃよかった」的な言葉を投げつけられまくって、言葉が出なくなって祖父母の下で疎開してたら人生の素晴らしさ的なものの悟りを開いて、学校のいじめの問題を解決し、家庭内不和を解消させる・・・とかいう本。
「純愛小説で泣けないあなたに」って帯に書いてあったからだまされたと思って読んでみたけど、こんだけハッピーエンドなのって珍しくて全然涙が出ませんでした。まず、「出来の悪い妹」という奴がリアルでいますので、優秀な兄って僕のことですので逆に妹にスポットを当てても感情移入できません。
算数のテストで20点とってきた妹が、100点とって当たり前の兄にバカにされるシーンがありますが、そんなものは腐るほどやって来たことなので妹にかわいそうだとか思いません。そういうところリアリストなんでね。逆にうちの家なら妹が70点とってくればかーちゃんも喜んでたが、俺がクラス1位の点数を見せても何も言ってくれませんでした。「あんたは出来るから、まあいいっしょ」と何度も言われている僕がこの本の妹に「かわいそー」って思うわけないんです。
うーん、この本でおにいちゃんが妹の変貌っぷりに感化されてなんか私立の中学からエリート高校に進むのをやめて、ふつーの高校に入ったりする記述があるけど、どう考えてもエリート高校行くだろ!と学歴コンプレックスのおいらは思ってしまった。でもこの本の全体の流れで、そのドロップアウトはなんか素晴らしいもののように書いてありやがる。
もうこんな感じで、もう全部価値観と違うところで感動させようとしているためにものすごい反発心が出てきます。これはアレだな。うちのアホ妹とかに最後まで読ませたら多分泣くな。俺は泣かない。そんな本。ドロップアウトした、しかけた人が人生ってやっぱ素晴らしいよね的に考え方を改めるような本じゃない?ドロップアウトどころか社会の一線で頑張ってる俺のような人は読んではダメですね。