博士の愛した数式

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410401303X/249-9750557-8417137

えーっと、2004年に読んだ書物の中で一番面白かった。マジ泣き。野球ファンならば楽しめる、という触れ込みで買ったのだが、まぁ野球が中止になってしまったので退屈しのぎに選んだ本だったのだ。結果はまぁ鬼のように鼻水をたらしつつ嗚咽を漏らしつつ読んでおったわけです。


本の話題作という奴は世界の中心で〜で若干痛い目を見たのでまぁ一歩引いてそんなに感情移入しては見ないようにしてたんだけどやっぱダメでした。昔の記録好きなおいらにも涙を大量に分泌しながら読めましたわよ。

いつも思うんだけど小説を書くというのは人間の才能の中でもものすごい異質なもののような気がする。とんでもなく高尚。この小説でも1992年の阪神タイガースの快進撃から12年経ったことを上手に、上手く小説の世界として構築できている。

音楽を作る才能は素晴らしい。絵を描く才能も人間の才能として素晴らしい。人を笑わせる才能も才能と呼べる素晴らしさだ。でも、小説を書ける、物語を書けるというのは文章を書ける能力も必要なら、世界観を構築するための膨大な空想力が何より必要。こういう「完成」された作品を読むたびにその素晴らしい才能に感嘆するとともにその類まれなる芸術を超えた技術に嫉妬すら覚えるね。ホントにすごいんだよね・・・

ネタバレはもうしたくないのでこれは本当に本買って読むべき。なんなら貸す。