タイタンの妖女



爆笑問題の太田が絶賛してる小説です。著者はカート・ヴォネガット
ストーリーは、

すべての時空にあまねく存在し、神のごとき全能者となったウインストン・N・ラムファードは、戦いに明け暮れる人類の救済に乗り出す。だが、そのために操られた大富豪コンスタントの運命は悲惨であった。富を失い、記憶を奪われ、太陽系を星から星へと流浪する羽目になったのだ。最後の目的地タイタンで明かされるはずの彼の使命とは一体何なのか?
心優しきニヒリストが人類の究極の運命に果敢に挑戦した傑作!

とりあえずこの「タイタンの妖女」を太田が絶賛して「泣ける小説」として「爆笑問題のススメ」で紹介したときのゲストが小川洋子。ちょい前に読んだ「博士の愛した数式」の著者でございます。で、クソ泣きしたと。で、「もしかしたらこいつらのセンスが近いところにあるのかも知れん」という漠然とした読みの中、この本の存在がめちゃくちゃ気になっておったのです。彼らのセンスが近いならそのセンスで書かれた本を読んで泣いた俺は確実にこの本を素晴らしい本であると絶賛できると。・・・なに言ってんだかわかりませんね。まぁつまり番組観る→太田と小川が涙の種類について語る→ふんふん→太田の泣ける小説は「タイタンの妖女」→それは面白そうだ→小川の著書が「博士の愛した数式」→こちらも面白そうだ→まず「博士の〜」から読んでみよう→クソ泣き→タイタンも読む・・・という流れだったのです。


で、前置きばっかりグダグダと書いたけど、この小説は泣ける小説っていう印象より完全にSFっぽい。むしろSF。結論から行くとSFの中に哲学って感じ。「生きることの意義って何?」的なことを教えてくれる気がする。確かに悠久の時を刻んできた宇宙の星に比べればあたくしたちの人生なんて取るに足らないちっぽけな物だし、「宇宙の意思」に翻弄される人間と言う奴は滑稽で涙チョチョ切れって感じ。SF小説って読んだこと無いけどこんな感じなの?
やっぱり読み解いていくのは少々SF小説に慣れてないと無理。最初何がなんだかわかんなかったし、後半にいっても想像できる部分と出来ない部分の描写がありました。でも面白かったかな。純粋に一人の男の行き着く先ってこんなものなのかなって思ったし、俺らのやってることも似たようなもんなのかもね。
機会があったらまたこの著者の小説を漁って読んでみたいと思います。新しいジャンルの開拓だ!・・・でもこれ実は「いま、会いに〜」の主人公の愛読書でもあったわけで、何か吸い寄せられたように選んでしまった気がします。これか、これが神の意思って奴か。