怒るべきは自分の心



ここんところ怒ってません。というのは新人がミスをしたり、休みやがったりした時とか、今までのわたくそであれば烈火のごとく怒り狂っておったのですが、最近は「怒っても新人辞めちゃうだけだし自分にストレス溜まるだけだから良くない。怒らず寛大な心で見逃していけばそのうち仏のような心を手に入れることが出来る筈」と判断して、全く店内にいる時に怒らないようにしてきました。
それは実生活でもそうで、怒ってもなんもいいこと無いんだからもう根本的に怒ることを止めてしまった方がいいでしょ?だからもう昔の瞬間湯沸し器のおいらとは違います。全然怒ってませんから。多分辞めていった新人達が今の俺の仕事っぷりを見たら「なんだそれー」と思うでしょう。それぐらい昔の俺と今の俺は違います。
だがしかし、毎週金曜日は何回も書いたけど忙しいわけです。今日のデリは俺以外全員10代の力不足な奴ら。どうやったって俺が出ないと回んないような状況。さらに出勤した瞬間に店長が昨日サラダを忘れやがったらしく、「お金返して謝ってきて」という仕事が初っ端の仕事。自分で行けよ。行ったら怒られて若干ストレスアップ。店長の尻拭いをバイトがやるってどうなのよこれ?
で、チラシ撒きはやたら家がでっかくてポストも遠いめちゃくちゃ疲れる場所。汗だく。17時ごろになって新人が来ないし。連絡もなしに遅刻してきて謝りもしない。まずい、怒り狂いそうだ。ストレスがハンパじゃないYO!
で、山の配達に行ってコーヒー飲んで帰ってくる途中、細い見通しの悪い坂で事件は起こりました。とかく細くて急な坂なので危険なこの坂をさっさと登らなきゃいけない。いざ登らんとした瞬間、前の車が超急ブレーキ。俺もすぐ後ろを走っていたのでぶつかる寸前。危ねぇ!で、前の車の助手席から男が出てきて、車の前にしゃがみこんだ。
「なんだよ、なんか落ちてた位で玉突き寸前のブレーキしやがったのか?」と、かなり頭にきていた俺。変なエロ本とかだったら全力で説教してやる、そう思ってたら・・・


助手席にいた男が拾い上げたもの、それはすやすやと眠る猫ちゃんでした。


笑顔で後ろのピザ屋のバイクに会釈してきたその男。ああ、そりゃ急ブレーキでも何でもするわ。抱きかかえられてる猫ちゃんは相変わらずおやすみ中。猫ちゃんを起こして端っこの道に置いて笑顔でバイバイして、その男はもう一度笑顔で俺に会釈してきた。
ああ、なんて俺は小さい人間なんだ。こんな神に対して怒る準備満タンで待っていたなんて・・・!やっぱり怒るのは良くない。人にどんなことされても、笑顔で返せる、そんな男を目指していたんじゃないのか俺。
走り去る猫ちゃんをサイドミラーで見送りつつ、もっと大きな人間になろうと決意した次第。助手席にいた神の男よ、ブレーキ踏んだ神の男よ、車道のど真ん中で寝てた猫ちゃんよ。俺の目を覚まさせてくれてありがとう。