燃えよ剣

「たれが見ても面妖な斬り方じゃのう」
我流、と言ってもよかった。坂田の刀捌き(ピザカッター)は天然理心流、とは言っても他に類を見ない斬り方で円状の物を切り刻んだ。

燃えよピザ 第1章「ピザの夜市」

さて、今日の本は脳梗塞で倒れた友人C氏が「このDQNが!読め!」と薦めてきた本です。この野郎、俺の薦めた「いま、会いに〜」は、「純愛小説を読んだら負けかなと思っている」とか言って拒否ったくせに、こうやって自分のお勧めの本は強烈にプッシュしてくるありがたい男です。今日手術らしいから、月曜日になったらショッカーに改造されて学校に来ることでしょう。
この本は新選組土方歳三を主人公にした、司馬遼太郎の代表的な本です。まぁ今NHKでドラマもやってますね。ということで舞台は幕末。日本史は異常な強さを発揮したので、読む前の新選組の知識をちょっと思い出してみることにしましょう。
・局長は近藤勇。副長が土方だったっけか
池田屋事件長州藩藩士をぶった切って開国を遅らせた
・近藤の愛刀は虎轍。土方は忘れた。沖田は菊一文字だっけか
薩長同盟でピンチ!
・近藤、沖田死亡後、土方は戊辰戦争に参加
五稜郭の戦いで死亡
こんな感じ。おいらは幕末には強かったからまぁ覚えているけどね。
さて、そんなこんなで感想。


良くも悪くも、「るろうに剣心」を思い出した。沖田総司が瀬田(だったっけ?)とキャラがかぶってかぶってとか、斉藤一とか出てきたり、左之助とか出てきたり、あの漫画家新選組を結構意識してたんだなぁと感慨。
あと、これ書いていいのか分からんけど、新選組の局中法度書にてすべての項目が「切腹」と極刑をもってあたるべし的な発想を土方から説明されるに至って、それを公示したとたん人が逃げて討ち取られる、という話があった。「士道に背くまじきこと」を見て、あさま山荘事件の前の赤軍を思い出した。とにかく粛正と銘打ってリンチしまくって少数精鋭の鍛え上げられた赤軍を作ろうとした永田や坂口。かたや新選組を一つの藩のように軍隊のように強くしようと奔走する土方。時代は違えども・・・って奴か。
土方がノサダを買い求めようとするくだりも面白かったね。日本刀についてはおいらは造詣が深いので、異常に大金をはたいてでも剣に生きようとする人間達に共感を覚えます。道具と侮ることなかれ。日本刀と言っても幅広いのだ。安い奴は本当に何の価値も無いけど今名刀を求めようとすると一千万からのお買い上げになるぞ。それはいいとしてさすがに新選組を立ち上げる前は刀は自分で研いでいたのだろうか。研ぎ師って結構高いぞ。そんな細かいところも気になってしまった。ノサダはクソボロボロを研ぎ師に研いでもらったって書いてあったけどね。
というわけで小説そのものも面白い。あたくそも4年間剣道やってた人間ですから剣の動きとか、桂小五郎と七里研之助の試合とか、じっくり想像して楽しむことが出来ました。上巻だけ借りたので七里との戦いの直前で止まっておるわけです。異常に気になる。というわけで脳卒中でCTを受けたC君、是非貸してください。