面接



まぁはっきり言って普通のアルバイトの面接は落ちる気がしない。就職活動時のミスが絶対に許されない(まぁミスしまくってたけど)環境で毎日毎日面接を受けていた俺様である。こんな派遣もどきの面接で落ちる奴なんか居ないが、それでもプライド的なものが少しはある。

というわけでスーツで面接会場に向かうと、案の定スーツは俺一人。皆私服。ふーん、おねーちゃん随分カジュアルだね〜。おにーちゃんかなり動きやすい服装だねー。ドラム缶でも押すの?
どいつもこいつもぬるすぎる。いいか、受かって当然だからこそなんか無駄に気合を入れてしまった俺が居るわけだが、たかが派遣とはいえれっきとした仕事だ。そこのクソ女、履歴書でホワイトなんか使うな。見ろ、一字たりともミスってない俺の芸術的な履歴書を。そこのパーカー男、見ろ、このシワひとつ無いスーツを。
と一通り面接者を目で侮蔑した後、ついに、パソコンどれくらい使えるねんということを確認するためのテスト!ここまで完璧だ、ここでコケたら何の意味も無い。タイピングなら得意分野だ。かかってこい!
二人一組で隣は履歴書にホワイト修正だらけだった女。相手にとって不足なし。テストの内容は紙にだーっと文章が書いてあってそれを写す作業。説明を受けて、タイマーのピピッという俺の中でのゴングが鳴った!さぁどうだ!
女、はえー!!速い!俺の人生におけるタイピング魔人ベスト3(1位は当然強烈なエンターを押す旅行中の友人)にランクインできる速さ!おかしい、おかしいYO!おいらだってネトゲ経験もあるし、毎日日記書いてるし、タイピングには自信があったのに、何なのこの人!一体あんたパソコンで何してきたらそんなに速く打てるのさ!
微妙にひしゃげた気分のまま、終了。女は俺がタイプした行の下5行ほど完璧に埋めて自信満々にふんぞり返ってやがる。俺のディスプレイ画面を見て物凄い勝ち誇った薄ら笑いをするのはヤメレ。ああ、何のためのスーツなんだ。
で、意気消沈したまま今度は数字モード。いいんだ、どうせ負けるんだべ・・・となかばあきらめ気分で数字タイプのゴングを聞いてテンキーでカタカタやってると・・・


女、なぜか数字モード激遅。


おかしいって。なんであんなに速く文字をタイプできる人間がテンキー使わないと数字速く打てないような俺の半分くらいしか数字打ててないのさ?なんかホント文字さえ打てれば満足なのよアタシは的な余裕?のタイプをかまされ、逆になんかがっついてテンキーに向かっているおいらがアホみたいに思えてきた。なんだこの異常な敗北感は。
まぁそんなこんなで滞りなく面接まで進み、「希望はないです」「軽作業?大丈夫です」「残業?かかってこいです」と企業の求める人材像を満たす人間を演じて帰宅。
今日の思い出というか記憶を呼び起こすと、あの鬼タイプと亀のような数字タイプのギャップがまず第一に浮かんでしまう。あれはホントに何が狙いだったんだろうか?本気で数字を打つのが苦手なんだろうか?謎は深まるばかりだ。