裏切りは突然に



以下、豊島区に住む坂田さん(23)の話。
「いやね、うーん、最初は従順な奴だと思ってたのよ。毎日毎日、弱音も一切吐かずに俺を助けてくれるわけ。正直、アウトオブ眼中になりつつあるわけよ逆に。やってくれて当たり前、そしてその状況はずっと続く、別に変わりない・・みたいな。
まぁ正直ね、足蹴にしてしまったり、臭いがあったり、全然いい環境じゃないと思うんだよね。でも・・・まぁそんなもんじゃない。どこでもさ。ねぇ。
ところがさ、先週だよ先週。ついにこいつもさぁ、反乱を起こしてきたわけですよ!長年虐げられて、ついに俺に牙を剥く!いやー強烈だったね。何がって?

洗濯機ホースだよ!!」


一年半ぶりに、奴のためのセッティングを行う。
初代の洗濯機ホースは、てか洗濯機はもらいもんだからついてきた奴を適当に使ってたんだけど、結構老朽化が進んでいるのはともかくとして、硬さが明らかに無かった。いくらホースっつったって、ある程度の硬さは必要じゃん?で、もう古くなったゴムみたいに、ちょっとしたきっかけでヒビ入ったみたいで、結果お祭りのおもらしときたもんだ。ゴボ、ゴボボボボ!!ってこぼれてたからね。キッチン水浸し。で、次の日それ裂けてんの忘れててもう一回ゴボ、ゴボボボボ!!ってまた水浸しにして、2日連続で雑巾でキッチン拭いたからね。俺は痴呆症か。
それらの反省をふまえ、二代目の奴を買いに行く。硬さのみを追い求めて、規格うんぬんを一切気にせず、適当に一本ビッグカメラで買う。が、これが良くなかったらしく、上手いことはまらない。なんかやっぱりナショナルの洗濯機用とか、いろいろあるんかなぁ?
しかし、俺はもうこの手のものは改造してでも使うことにしているので、堅い部分をちょん切って旨く繋げる。ドキドキの初運転。すすぎもよし、洗いもよし、さて・・・脱水うぉブシャシャシャシャーーー!!・・・・平気。漏れてない!
洗濯できるーーー!
かくして俺と洗濯機ホースはまた共に歩んでいくことになったわけだ。380円のホース君、10年は頑張ってくれたまえ。