ビッグ・フィッシュ



ティム・バートン監督の最新作。これ確か公開が4月だか5月、俺自身就活真っ最中ストレスマックスモードの時だったので観に行けなかったんですよ。で、DVDがレンタル開始になったので観てみました。
やっぱ、この監督好きだわ!
相変わらずのネタバレなので、「なんてことしてくれんのよ、あたし達見る予定だったのよ!」とか怒り狂ってうちのアパートに突入予定の方は右上の×を左クリックして頂戴ませ。
シザーハンズの監督でもあるティム・バートンさんですが、前回はハサミ男が主人公、今回はお話好きな一人の息子を持つお父さんが主人公です。「息子が生まれた時、でっかい魚を釣ろうとしていた」とか、「幻の町に行った」とか、いくつものホラ話を息子にさんざん聞かせていたので、息子はうんざり。で、父親とそのまま結婚を期に離れちゃって、その後お父さん容態急変。死ぬ間際になって、「本当のお父さん」が知りたい、と息子は父親に「ウソ偽りのない話をして、とお願いするけど、お父さんは自分の体験をやっぱり誇張して語ってしまう。そこで息子が見たものは・・・というストーリー。
こういう自分の体験をちょっと誇張したりウソを若干混ぜたりしてず〜〜っと喋ってる人、いるよね。その度「またか」という感じになって、もはや相づちを打つことすらめんどくさくなる、いわゆる一方的なお話好きな人ってのは結構おいらのまわりにもおります。それが真実かどうか怪しくなるような話をずっとされても、確立した面白さがないと話は飽きるだけだし、たまには自分の話がしたい!という感じになっても、やっぱりその人は同じような話を延々としてしまう・・・なんか自分の周りのそういう人間の話を聞いてるみたいで、中盤はダレまくりでした。
それでも、お父さんのホラ話はこの映画のポイントでしょう。すっごいキレイな映像が続くし、単純に一つ一つの話にオチが無くなって、それが重要なストーリーになっていくと、自然と引き込まれていきました。
で、最後ですよ。お父さん死ぬ間際・・・泣いてしまいました。なんでだろうね、今まで嘘つきだと思っていた奴が、嘘をついてない奴だと分かった瞬間に訪れる、自分の中の罪悪感を刺激されたというか。そう、これは息子と同じ気持ちにさせられてしまうんですよ!「お父さん、今までごめんなさい」と、観ているおいらたちに同じ気持ちにさせる、そんな映画でした。
とにかく回想シーンは景色とか超キレイ。花を散りばめたりだとか、幻の村で美しいオナゴの行水を観たりだとか、軍に入ってパラシュート降下したりする場面だとか、植物が動いたりとか、最初は息子と同じで「どーせホラ話なんだから」とたかをくくって見ていると滑稽にしか思えないのに、観終わった後は「あれはもしかしていい映像だったんじゃないかな」って思えてくるのが不思議。


これは作中の人間と同じ感情を味わえる、不思議な映画。シザーハンズとはまた違う涙だったけど、違う良さがあるね。この監督の作品、チェックしてみるかな。