ジョゼと虎と魚たち



この映画、今年の初めくらいに日経エンタで見て気になっていたのですが、邦画っつー事でスクリーンに足を運ばなかったのでぃす。で、今日はバイトも無いのでビデオ屋レッツゴーしてタランティーノのレザボア借りようかと思ったら無い。で、滅多に行かない邦画コーナー行ったらありました。というわけで観てみました。


ストーリーは、

大学生の恒夫は、乳母車に乗って祖母と散歩するのが日課の自称・ジョゼこと、くみ子と知り合う。くみ子は足が悪いというハンディキャップを背負っていたが、自分の世界を持つユーモラスで知的な女の子だった。そんな彼女に恒夫はどんどん引かれていき、くみ子も心を許すが、ふたりの関係は永遠ではなかった。
金髪の草原』の犬童一心監督が、田辺聖子の短編小説を映画化。くみ子演じる池脇千鶴は、関西弁でぶっきらぼうなくみ子の中の女性の部分をデリケートに見せて名演。妻夫木聡は、男の弱さ、ずるさ、情けなさを恒夫を通して見せていくが、恒夫が憎めない男になったのは、心の奥まで透けて見えるような彼の純な演技あってこそだろう。エロティックで美しくて切なくて泣けてしまうラブシーンも出色。恋愛の幸福感と背中合わせの残酷さを見事に描いた傑作だ。

こんな感じ。


さて、感想。
女の子が住んでいるのが借家なんですけども、おいらは腐るほど厚木の借家を見ているので「これは厚木か?なんか映画を観てるのに地元を見てるようだわ・・・」となんだかチラシ撒きをしてる気分になりました。あの引き戸とか、蓋を開けるタイプのポストとか、マジで配達トリップ。「うわービラ入れづらいなぁ」とビラをぶち込むわけでもないのに心のどっかでめんどくさがってました。映画を観てるときくらい職業病は眠ってなさい。
あと主人公、雀荘でバイトするのはいいけど雀荘の客全員が牌さばきが腐ってるのも見逃せない。店長がおぼつかない牌さばきで麻雀を打ってれば、メンバーの妻夫木くんも理牌超遅いし。平和な雀荘だ。理牌くらいは2秒で終わらせようぜ。映画を観てるときくらい昔の麻雀病は眠ってなさい。
で肝心のラヴストーリーなんですけど、やたらリアルでした。なんつーのかな、世の中の人間みんなドラマみたいに恋愛して、ドラマみたいにハッピーエンドじゃないでしょ。なんか貧相な女とセックスしたかと思えば今度は清純な子とチュッチュしちゃって、で最後ジョゼと・・・ってか。大学生ってのはこんなもんか。てか人生こんなもんだよな。若いな。
そういう男だからこそ、ジョゼに惹かれた理由って奴をもう少し詳細に描いて欲しかった。まぁ端的に言えばモテモテな男が障害持ってる子を好きになるのに至るまでの過程がちょっと弱かったかも、と思う。だってさ、その清純な子(上野樹里)がもう彼女として存在してるのに、あっという間にジョゼと同棲始めるあたりがよくわかんねーんだもん。
でもラストは切なかった。今まで何があってもそんなに切ないフリを見せずに次の毎日に進んでいくのに、あのラストのシーンだけは一瞬、止まった。うん、よく分かるよ、分かる。人生ってそんなもんだな。


・・・とまぁこんなふうに、なんだか人生の恋愛の縮図を垣間見た気がしました。「いま、会いに〜」は宝石箱に入れておくような恋愛。この映画は人生のどっかを切り取ったような感じ。どちらがいいか、と言われたら宝石箱になるけど、結局最終的には人生の1ページでしか無くなる訳だ。うむ、納得だ。