燃えよ剣(下巻)


「黙れ、黙らんと斬るぞ!」
新人が入ってきてもすぐ辞めてしまう理由はこの男にあると言ってもよかった。
新人に間違いを指摘されるたびに逆切れし、ぶつける必要のない闘志を前面に押し出して、その新人を困らせていたからだ。坂田、最悪な男である。

燃えよピザ 第2章「ピザ屋の決闘」

先日これの上巻を読ませていただいたので次は下巻!ということで、読んでみました。うーん、面白い。三国志といい、歴史の小説も捨てたもんじゃないな。恋愛物ばっかり読んでないで、こういう作品も開拓していく必要があるね。
さて、感想。箇条書き。
・歳三かっこよすぎ。最後まで忠義に尽くした
・歳三かっこよすぎ。強すぎですよあんた
・歳三かっこよすぎ。最後に単騎で斬りこむときに「新選組副長土方歳三」と名乗った瞬間、泣けた
・近藤と土方の別れのシーンが切なすぎる
・土方が人に会った時に第一印象で好き嫌いを判断する当たり、ちょっとおいらに似てるかもと思ってみた


土方はおいらの中の印象で最後まで武士だった。その新選組法度の「士道に背くべからず」からして、侍が消えゆく中での最後の侍、という印象。
教科書的な教育ではやれ長州、土佐系の戊辰戦争時の「官軍」を強くプッシュするので自然池田屋事件などで長州藩の人間を大量に斬った新選組の印象は決していいものではない。ただ、こうやって別の視点からこの魅力のある人物と出来事を鑑みると、「まぁ勝てば官軍」だったのかなぁという感じ。最近のガキどもの軟弱ぶりにはこっちの侍のスピリッツを前面に押し出した人間達を紹介したほうがいいんじゃねーか。新政府軍なんて、策があたりまくったようなもんだしな。
しかし新選組は人が死ぬねぇ。三国志なんかでは結構病気で死んだりして天寿をまっとうしたケースが多いけど、(曹操しかり、劉備しかり、孫権しかり、諸葛亮しかり)新選組の人間達はかなりギリギリのところを必死に生きた感がある。三国志だと劉備は負けっぱなしでも死ななかったし、呂布だって裏切って裏切られてやっと・・・って感じだった。
まぁほとんどが粛正による死だったけど、芹沢しかり武田しかり伊藤しかりとかく一つのストーリーの中で重要な人物が簡単に死んでいくのはかなり新鮮。戦国時代でもないことだ。でもそのギリギリ感も魅力の一つだったなぁ。
なにはともあれ、非常に楽しめました。泣いたしね。どっかでまた幕末の小説でも買って読んでみるかなー。